端午の節句の由来

五月の端(はじめ)の午(うま)の日という意味で、五月五日を「端午の節句」と呼びます。
中国では昔から、この日を「悪日」として、野外に出て薬草を摘んだり、菖蒲(しょうぶ)をひたした酒を飲むなど、 病気や災厄をはらう行事が行われていました。

この邪気払いと物忌みの祭りであった「端午の節句」が、男の子の節句になったのは武士の時代になってからです。「菖蒲」が「尚武(武を重んじること)」や「勝負」と音が同じことから、「尚武の節日」として盛んに祝うよう になったのです。
江戸時代になると、町人のあいだで「鯉が滝登りをするようにたくましく」という意味で、鯉のぼりがたてられ るようになりました。
現在では、鎧(よろい)や兜(かぶと)を中心にした内飾りと、鯉のぼりや武者絵のぼりを中心にした外飾りが飾られるようになりました。
鎧(よろい)や兜(かぶと)は身を護るもの、鯉のぼりや武者絵のぼりは立身出世を願うものとしてそれぞれに役割があります。

鯉のぼり

鯉のぼりは江戸時代中期、庶民のアイデアで生まれました。中国に伝わる登竜門の伝説になぞらえ、竜門の滝を登りきると鯉が竜になれるように、わが子も健康に育ち、将来は大きく出世してほしいとの願いが込められています。
また「わが家に男の子が生まれました。どうぞお守りください。」と天の神様に伝え、守っていただく意味があるとも伝えられています。

鯉のぼりの選び方のポイント

Point-1:ポールのサイズ・種類

揚げる場所の条件によって様々なサイズ、種類が考えられます。あくまでもお子様のためのものですので、毎年喜んで揚げられることを優先して選びたいものです。一般的には、ポールの長さは吹流しや鯉のぼりの約2倍は必要です。取付けのしやすさや強度によってもいろいろありますのでカタログをご参照ください。

Point-2:場所

揚げる場所はあらかじめチェックしておきましょう。小さいお庭用、大きなお庭用、ベランダ用等様々なサイズがありますので、お店の人にご相談ください。お庭にポールを立てる場合は、電柱や電線に触れない場所を選んで立ててください。万一、ボールや鯉のぼり等が電線に触れたり絡まったりした場合は、絶対に触れずに直ちに電力会社に通報してください。

Point-3:寸法(長さ)

現在の鯉のぼりは着物の友禅染と同じ高度な技法を用いた手捺染技法で染めています。また、素材としては雨風に強いナイロン生地やポリエステル生地が多く使用されています。このように、技術的にも素材的にも進歩した鯉のぼりの品質ですが、生地・染色の特性により、5%程度の縮みはどうしても生じます。決して品質には問題ありませんので、ご理解のうえ、あらかじめご了承ください。

Point-4:素材と寿命

一般的には、ナイロン製かポリエステル製の2種類です。両方とも軽く風雨に強いのですが、図柄の退色ではナイロン製(2〜3年程度)よりもポリエステル製(5〜8年)の方がはるかに強いと言えます。

鯉のぼりのお手入れの仕方

雨の日には・・・

ポリエステルやナイロンでできている鯉のぼりは、雨で色落ちするようなことはありません。しかし、酸性雨などの影響で汚れが染み付いてしまう場合がありますので、雨の日には揚げないようにしましょう。もし、雨に濡れた場合にはよく乾かしてください。

洗濯

基本は手洗いで、お風呂の浴槽など大きな器で、中性洗剤を入れて浸け洗い程度にしてください。特に汚れがひどい時だけもみ洗いをします。干す時も絞らずそのまま乾燥させると金箔などが浮きにくくなります。ドライクリーニングは傷みの心配が多いので避けた方が良いでしょう。

収納

節句が終われば汚れ具合に応じて洗いますが、乾燥具合はじっくりチェックしてください。充分に乾いてから軽くたたんで収納後に重みがかからないように、また、湿気のない場所に保管ください。また、ポール、矢車などは錆の原因にならないようによく空拭きして、滑車などの可動部分には油を付けておくことがポイントです。

鯉のぼりまめ知識

昔の鯉のぼりって?

昔、江戸時代初期には、和紙で作られていましたが、時代とともに工夫がなされ、油紙、うす綿と改良され、近年まで風雨でも破れにくい素材へと変化してきました。現在のような化学繊維となったのは昭和30年代で、風雨に強く、退色しにくく、しかも軽いためよく泳ぐなど、そしてデザインもきれいになり、鯉のぼりの魅力が大きく改善されました。

なぜ鯉のぼりなの?

鯉は清流はもちろん、湖沼などにも住むことができる強い生命力を持ちます。特に中国の伝説では、急流を遡りし、竜門という滝を登りきると、鯉が龍になると言われ(=登竜門)、出世、栄誉の例えにされてきました。また、天には神が存在していると信じられ、鯉のぼりは天の神様に無事の成長を見守られる、子供の化身でもあると考えられました。

鯉のぼりを揚げておく日数は?

5月5日の本番に向けて、現在では1ヶ月前から20日間位の間で揚げられています。ガーデンタイプ、ベランダタイプなど、揚げ方によって多少のズレはありますが、5月中旬位には降ろすと良いでしょう。また、少子化の時代、地域によっては、名残り惜しさもあって意外と長く揚げているのもほほえましくあります。古くなった鯉のぼりをたくさん揚げて、元気の出るイベントとして催している地域では、かなりの期間、谷川や山すそ、イベント会場などに揚げられています。

吹流しの種類と家紋入れについて

吹流しは、鯉が竜に変身した姿を表わしたものだという説や、その色彩(五色)が魔除けの役目を果たすという意味などいろいろ伝わっています。柄物吹流しと五色吹流しの所似は地域によって様々ですが、家紋や家名を入れたものも多く、武門の戦場における旗印にも近いものと言え、選ぶポイントとしては家紋なしは五色吹流し、家紋入れは柄物吹流しを選ぶのが一般的です。

五月人形

五月人形の選び方のポイント

鎧は甲冑(かっちゅう)とも具足(ぐそく)とも言います。具足とは元々仏教の言葉で 「ものが具(そな)わっている」と言う意味ですので、鎧飾りとしてはご長男の飾りに適 しております。
様式によって源平時代の大鎧、南北朝から室町時代の胴丸(どうまる)・ 腹巻(はらまき)、戦国時代の当世具足(とうせいぐそく)などがあり、どの鎧飾りも先ほど申しましたように、ご長男のお飾りには最適でございます。 お分かりのように兜はそれら鎧の一部ですから、源平時代の豪華な大鍬型や優雅な長鍬型、 あるいは戦国時代の実践的な南蛮兜まで様々な形がございますが、どれも次男さまのお飾りに適しています。
鎧飾りでも、兜飾りでも、お選びになる時のポイントは全体に安定した重みが感じられる 事、鍬型・その二本の鍬型の真ん中にある前立て・両サイドへの吹き返し・などの全体の バランスがとれている事、威糸(おどしいと)の色彩や仕上げが、丁寧で念のいった仕事ぶりが見られるかどうか、収納する櫃の作り、塗・仕上げ具合などがチェックポイントに なります。

五月人形の購入

五月人形には大きく分けて、鎧飾りと、兜飾りと、大将飾りがあります。それぞれ特徴があり、味わいも違いますが、好みの問題ですから、まずお好きな飾りに決めてください。

大きさを決める。

三段飾り、ニ段飾り、平飾り、ケース入りが多く見られる形です。お部屋の大きさや飾る場所などを考えて選んでください。あらかじめ飾る場所を決めて、寸法を測って来られるのもよいでしょう。また、収納スペースのことも考えておくことが大切です。けれども、人形を飾る時期はせいぜい1~2ヶ月くらいですので、お節句の時期だけは他の物を片付けて、大きさばかりにこだわらずに本当にお好きなお人形を選ばれるのがいいですね。

買うお店を選ぶ。

たくさんのお店を回られて,最終的に気に入った物があったお店で選ばれる方が多いようです。中にはおかしな売り方をするお店もあり、大幅割引をうたい文句にしていたり、客引きや呼び込みで連れ込もうとしたり、最終的に好みや予算に合わないお人形を強引に売りつけられることになってしまいます。
人形の村上では、日本人形協会に加盟しており、優秀販売店の証明をいただいております。適正価格で質の良い商品を自信を持って展示いたしておりますので、ぜひ一度お店にいらしてご覧になってください。

アフターサービスも万全!

製造販売だからこそ出来る、万全のサポート体制で、お客様のご要望にいつでも対応できるようになっております。
大切に扱っていても、永年のあいだにはお人形も疲れてきます。また、ちょっとしたことでお顔が傷んでしまったり、小道具がなくなってしまったり・・・。そんな方には、人形の補修や点検も行なっておりますのでお気軽にご相談ください。

五月人形まめ知識

五月人形は誰が買うのですか?

一般的にはお嫁さんの実家から贈られるということになっています。時々、お雛さまはお嫁さんの実家、五月人形はご主人の実家から贈られるものだと思っていらっしゃる方がいますが、そのような風習はまずありません。
今では両家のお話し合いで折半されたりと、ハッキリした基準はなくなってきています。また、ご親戚や友人は、ケースに入ったわらべ人形や首振虎などを贈るのが一般的です。(地域によっては首振虎の風習がないところもあります。)

お祝いのお返しはどうすればいいのですか?

内祝いとして赤ちゃんの名前でお返しをします。お礼の手紙にちまきか柏餅などを添えて贈るのが本来の形とされていますが、お祝いをいただいた方をお祝いの席に招待できれば、お返しの必要はありません。

次男・三男には何を買うのですか?

五月人形はその子供の幸福を祈るお祝いであり、赤ちゃんの身代わりになって厄を受けていることから、基本的に一人一人のお守りとされるのが良いでしょう。父親の五月人形を譲り受けたり、兄弟兼用にするのはおかしなこととされています。
次男、三男の場合にも、できれば兄弟平等の五月人形が望ましいのですが、住宅事情もあり、長男と同等かそれより小さめの五月人形を買われるというのが多いようです。

内のぼりと外のぼりはどう選ぶのですか?

内のぼり(または内飾り)とは、鎧・兜・大将のように、家の中に飾る物をさし、外のぼり(または外飾り)とは、鯉のぼり・武者絵のぼりのように、家の外に飾る物をさします。本質的には立身出世を願う外のぼりと、子の無事の成長を願う内のぼりは意味が違うので両方飾るのが望ましいのですが、場所の関係もありますのでどちらかにされる方も多いようです。
地域によってどちらをメインにするかは違ってきますが、愛媛県ではどちらかというと内のぼりをメインに飾られる家が多く見られます。

節句人形はいつから飾れば良いでしょう?

春分の日の頃から四月中頃までには、遅くてもお節句の一週間前までにはお飾り頂きたいものです。そして一番重要なことは毎年お人形を飾るということです。年に一回のお祭り ですので面倒くさがらずに、毎年飾ることによって、ご家族の願いもきっとかなえられる ことでしょう。

節句人形を片付ける時期は?

季節の節目という節句の由来を考えると、五月の中頃までの天気の良い日にはしまいたいものですが、地方によっては月遅れ・旧暦の風習もありますのであまりこだわる必要はないと思います。鯉のぼりも同様です。